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ニューノーマル時代のオフィスとは?~文書管理(整理・保管)によるオフィス革命~

2021年は企業にとって厳しい年明けとなりました。年をまたいで新型コロナウイルスは猛威をふるい、新年早々「緊急事態宣言」の再発令という局面を迎えています。そして、2月2日には10都府県で3月7日までの一ヶ月延長が決定されました(2021年2月現在)。

従業員を新型コロナから守っていくことは企業にとって使命となりますが、当然のことながら事業を継続させ、営業利益を確保することも同時に追求しなければなりません。コロナ以前の常識では考えられなかった「新しい日常=ニューノーマル」に則った働き方が、各企業には求められているのです。

それでは、「ニューノーマル時代」とも言える現在において、求められる働き方とはどのようなものなのでしょうか。また、その働き方を実現するためには、どのようなオフィス改革が必要なのでしょうか。今回は、この時代に適切なオフィスのあり方について考えていきます。

ニューノーマル時代に拡大するテレワーク

政府は2021年1月7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を昨年に続き再発令しました。

宣言では、接触機会を減らすために「出勤者数の7割削減」が目標とされています。そのため、これまで進められてきたテレワークをより強力に推進することが謳われています。このテレワークの推進を軸とする「働き方の新しいスタイル」が官民挙げて推し進められているわけです。

厚生労働省が提言する「新しい生活様式」では、感染防止の3つの基本である身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いとともに、この「働き方の新しいスタイル」として以下の5点を挙げています。

  1. テレワークやローテーション勤務
  2. 時差通勤でゆったりと
  3. オフィスは広々と
  4. 会議はオンライン
  5. 対面での打ち合せは換気とマスク

これに対応するために、最近では「ワークスペース=オフィス」の見直しが進められています。テレワークの拡大に伴う出勤者の減少をにらみ、各企業はオフィス面積の縮小を模索し始めました。また、テレワークの比率が高まることによって、オフィスを賃料の高い都心に構える必要性が薄れたため、比較的賃料の安い郊外への移転が一部で進んでいます。

一方で、各従業員のデスクの間隔を広げたり透明なアクリル板でパーテーションを作ったりするなど、オフィスの改修も進んでいます。このようなニューノーマル時代のオフィス改革は、従来からのヒトやモノなどの経営資源をオフィスに集約させる概念を覆しつつあります。

(参照:厚生労働省「『新しい生活様式』の実践例」 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000641743.pdf

フィジカルディスタンスを実現するオフィス改革

企業にとって新たな価値の創造の場であるオフィスは、従業員にとっては働く場であり、多くの人々が集う場になります。ニューノーマル時代において、人々が集う場は新しい在り方へと変貌が求められているのです。変貌が求められる具体的なポイントとしては、次の4点が挙げられるでしょう。

  1. 身体的距離(フィジカルディスタンス)を確保する
    これからのオフィスは、フィジカルディスタンス(※)を確保できることが絶対条件になります。人との間隔はできるだけ2メートルを目安に空けることを心がけ、会話をする際は可能な限り真正面を避けます。
  2. パーテーションを設置する
    これまで、日本企業のオフィスでは「島型」と呼ばれる対面式レイアウトが伝統的に採用されてきました。しかし、この島型レイアウトではフィジカルディスタンスの確保が難しいため、間にパーテーションを設置します。
  3. 対面を避けるレイアウトの採用
    島型レイアウト以外では、全員が同一の方向を向いたスクール型レイアウト、壁に沿って机を配置し、背中合わせに座る背面式レイアウトなどがありますが、この機会にフリーアドレス制(従業員が個々の固定デスクを持たず空いている席を自由に利用する方法)を採用してもよいかもしれません。
  4. 常時換気を行う
    充分な換気を行える環境であることも、今後は欠かせない条件になっていくでしょう。

    (※)コロナ禍で2メートル以上の対人距離を呼びかける「ソーシャルディスタンス」という言葉が定着しました。しかし、この言葉が人と人との社会的なつながりを断つという誤解を招きかねないとの懸念から、世界保健機関(WHO)は「身体的距離の確保」を意味する「フィジカルディスタンス」に言い換えるよう推奨しています。

こうしたオフィスのレイアウト変更のためには、一定のオフィス面積が必須となります。しかし、ただでさえ経営環境が厳しい中、広いオフィスへの移転は多大なコストがかかるため難しい状況です。そこで、既存のオフィスにおいてスペースを捻出する方法として、キャビネットや壁面書庫を撤廃する方法が注目されています。

キャビネットや壁面書庫はそれなりの面積を占めているにもかかわらず、活用しきれず、キャビネットの奥に長期間にわたり参照されない文書・書類が眠っているなどのケースもあるでしょう。思い切ってキャビネット・壁面書庫をなくすことで、かなりの省スペースが実現できることが期待できます。

しかしながら、紙の書類を全て撤廃することは現実的ではありませんので、「キャビネット・壁面書庫を外部化する」ということが選択肢となるのではないでしょうか。

キャビネットや壁面書庫がなくなり、省スペースが実現するということは、ワークスペースにゆとりが生まれるということでもあります。それは、オフィスが快適空間化することにつながるでしょう。その効果は従業員満足度を高め、生産性を向上させることに寄与します。

文書管理・文書保管が業務効率化の鍵

キャビネットや壁面書庫を外部化すると同時に、紙の文書・書類を電子化(スキャニング)しデータベース化するという方法もあります。これにより、文書管理・文書保管は高次化されるため、業務の効率化をさらに加速させることが可能です。

業務がテレワークで完結できないことの一つに、紙の文書・書類の参照があります。というのも、重要な文書は情報セキュリティ上社外に持ち出せないものが多いからです。そのため、紙の文書・書類を大量に保管している企業の場合、どうしても書類の参照のために従業員が出社せざるを得なくなる局面が発生してしまいます。これが、業務を著しく非効率なものにし、生産性を阻害することになるのです。

しかし、業種によっては、法令で書類作成が義務化されているものもあります。たとえば、定期建物賃貸借契約では「公正証書等の書面」によって締結することが借地借家法第38条1項に規定されています。また、このような保管義務のある契約書類のみではなく、一般的な契約書や契約書に付随する書類も残しておく必要があるでしょう。

こうした書類の課題は、紙媒体の文書・書類の電子化によって解決できます。その流れを概観しましょう。

まずは、すべての紙媒体の文書・書類を棚卸しします。参照しない書類、保管が必要でない書類は廃棄処分とし、保管が必要な書類はスキャニングして、電子データとして保存します。保管が必要な実物の書類は、前章で述べたとおり外部の倉庫に移すことによって、オフィスの省スペース化を実現できます。そして、電子化された文書データは、クラウドサービスを活用することによってリモート参照が可能になります。こうして業務をテレワークで完結させることができるようになるのです。

また、紙媒体の電子化は、検索性を向上させることにもつながります。紙の書類だと「あの文書はどこにある?」という事態が頻発してしまいがちですが、電子化すれば一目瞭然となります。同時に、紙媒体の電子化は文書・書類の紛失防止にもつなげることが可能です。書類の原本が紙であると、どうしても紛失や盗難、誤廃棄などのリスクが高まってしまいます。時間の経過とともに、劣化することも避けられません。

そのため、文書管理・文書保管の電子化は、業務の効率化と生産性向上に直結していくでしょう。また、企業にとって蓄積された電子文書は「情報資産」にもなっていくのです。

今後コロナ騒動が収束したとしても、テレワーク拡大の流れは変わることはないでしょう。アフターコロナ時代の「新しい働き方」を実現する良い機会なのかもしれません。むしろ、現在のような経営環境の激変に対応する企業こそ、次世代を生き抜く企業になるのではないでしょうか。

ISSが提案する書類整理ソリューション

ニューノーマル時代をにらんだオフィス改革、そして文書管理・文書保管の電子化といった作業をすべて内製化するのは、決して簡単なことではありません。これらを成功させるためには、信頼の置けるパートナーに任せることも視野に入れていく必要があるでしょう。

NTT東日本グループの株式会社アイ・エス・エス(略称ISS)は、現状のヒアリングからコンサルティング、システム構築・電子納品まで、文書管理ソリューションの面倒な作業をワンストップサービスで行っています。主なサービスは、以下の通りです。

「100年に一度の危機」とも称されるコロナショックですが、この危機に対応する一つの解決方法として、書類整理ソリューションの活用を検討されてみてはいかがでしょうか。